漆(うるし)の実のみのる国下

天よ、いつまでわれらをくるしめるつもりですか。
改革はままならない。
上杉鷹山の孤独と哀しみを明澄な筆でえがきだす下巻。
時代は商人の世に移りつつあり、参勤交代などの費用(かかり)は財政を容赦なく圧迫する。
けれど漆は生長し、熟しはじめていた。
その実は触れあって枝先でからからと音をたてるだろう。
秋の野はその音でみたされるだろう──。
物語は、いよいよふかく静かな響きをたたえはじめる。
忘れがたい読後感を残すこの作品は、藤沢周平の絶筆である。
正月の閻魔堂の縁日で、浅草寺はたいへんな人出だ。
その境内で、娘が晴着を切られ、怪我をした。
その数日後、一緒に閻魔まいりに行った堀留小町といわれる器量良しの娘が殺される。
表題作ほか、東吾の親友で、八丁堀同心の堅物・畝源三郎がめでたく祝言を迎えるまでの騒動を描いた人気作品「源三郎祝言」、その女房お千絵もさっそく活躍する「橋づくし」、るいと東吾が蛍狩りに遠出する「蛍沢の怨霊」を含め全8篇。
登場人物も増え、ますます好調のシリーズ第10弾。
1つ年下の加賀くんの顔が気に入った黄菜コは、加賀くんに「せめて1回デートして。
できればつきあってほしい」と言った。
真面目そうに見えた加賀くんは、実は4人の女の子とつきあっていた! “火曜日の女”となった黄菜コは彼に説教をして、女の子たちに別れ話をさせた。
それから1年――毎月第3土曜日に映画を観に行く約束をしたふたりは、通算12回映画館へと通っていたが…。
表題作「約束は土曜日」ほか6編を収録。
絶望的なまでのいじめられっ子のオチコは、ある日クラスメートにいじめられていたところを不良の池野に助けられた。
「池野くんはオチコの王子ちゃまなんだわ!」 いつか王子が現れて、いじめっ子たちを皆殺しにしてくれると信じていたオチコ。
けれどその希望が絶たれ、オチコは……!! 表題作「怪奇カエル姫」を含むカルト・ホラー6編を収録。
大学生の架は東京で幼なじみの耀一と同居中だ。
7歳の時、出会って以来、無愛想で人づき合いの苦手な架にとって、耀一は唯一、自分を理解してくれる太陽のような存在……だが、そんな耀一はゲイだった。
そして「大切な相手だからこそ、架には恋をしない」とはっきり告げられて……。
やがて、俳優として少しずつ売れ始めた耀一は、失恋しては架に慰めを求めるようになり……。
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