唇の記憶

看護師のリーは、医師になるための勉強も続けている。
一人前の医師になるまでは、男性との恋に溺れるつもりはない。
過去の苦い恋の痛手を思えばなおさらだ。
ある日、検査を受ける男性の名前を聞き、リーは凍りついた。
アダム―― かつて心から愛し合い、傷つけてしまった人。
今でも本当は、忘れられないくらい愛している男性。
緊張を隠しながら近況を尋ねたリーに、彼は冷たく言い放った。
「ぼくは過去について話すためにここに来たんじゃない」。
小国のプリンセスである親友の結婚式に参列するため、ダルシーは異国の宮殿にやってきた。
そこで顔に大きなやけどの跡があるプリンス・ヴァルブランドを紹介される。
ハンサムな顔に残る、世にも醜い傷跡。
彼はいったいどんな過酷な運命を辿ってきたのかしら。
好奇心に駆られるまま、ダルシーはその夜ヴァルブランドと踊り、いつのまにか恋に落ちてしまう。
身分の違う私が、こんな気持ちを抱くべきではない。
とまどうダルシーを、ある悲劇が待っていた。
父を亡くしたセリーナは、会社を継ぐことになった。
この小さな町では、刺激的な恋は手に入らない。
でも、いつか小さな幸せを見つけてみせる。
ある朝、セリーナは道に倒れている若い男性を発見した。
顔に青痣はあるけれど―― ハンサムな男性だ。
救急車で病院に運んだ後、男性はサム・ウォレスと名乗る。
犯罪者かもしれない。
そう主張する警察官を見ながら、セリーナはぼんやりと考えていた。
彼には何かがある。
私の心をときめかせる危険な何かが。
いくら小さな町で独身男性が少ないからといって、兄たちに結婚相手を押しつけられたくはない。
だったらこのまま独りでいるわ。
ハドリーは憤慨しながら凍った道に車を走らせていた。
そして、突然、事故は起こった。
接触した相手の車は道路をはずれ、木に衝突して止まった。
車内に倒れていたのは額から血を流した男性……。
ウッドと名乗る男性との出会いは、ハドリーに女であることを意識させた。
あなたの手でわたしを変えて。
決して後悔はしないから。
大実業家ラファエルはどうしようもないほど自信家だ。
ジョージィが彼の妹を訪ねるために来たと言っても信じない。
ラファエルが彼女の言葉を無視するのは、今回が初めてではなかった。
四年前、まだ学生だったジョージィが彼とつき合っていた頃もそうだった。
一方的にジョージィを不道徳な人間と決めつけ、ラファエルは怒りと共に彼女から去っていった。
だが、ラファエルの黒い瞳に見つめられたとき、ジョージィは今でも彼に夢中なのを思い知らされた。
続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60011254